フュージョンの純正シートを求めて三千里

2年前に中古で購入し、コツコツ整備を続けて理想型に近づいているフュージョンですが、フュージョンファンならなんとしても押さえておきたいのが純正シート。ソファーのように厚くてフワフワな純正シートは長距離ツーリングでも疲れ知らずと言われ、思想強めなフュージョン原理主義勢力からは「純正シートでなければフュージョンではない」とまで言わしめているという。
私のとっつぁんフュージョンには当然のように海外製のレプリカシート(↓写真)がついていました。実物を見たことがないので純正シートの素晴らしさは分からないのですが、気がつけば私の思想もかなり強めになっていて(←洗脳)血眼で純正シートを探していたのでした。


近年、フュージョンの純正パーツの供給はかなり厳しくなっており、主要外装パーツや消耗品はほとんど底をついているらしいのですが、意外にも純正シートは数年前まで新品(3〜4万円程)の在庫があったそうです。しかしそれも尽きた今、いわゆるデッドストックがオークションで12万円だったり、そこそこな中古で5万前後、破れたやつで2,3万という相場感。
日々、ヤフオクやメルカリに張り付いていたところ、ド派手にゴリラテープが貼られた5,500円の安物を発見。送料1,800円ほどですが、この値段なら補修や張替えベースとして買ってみる価値あり、ということで購入しました。
ちなみに純正シートにはいくつかバリエーションがあり、今回購入したのはフュージョン最終型で使われていた最も欲しかったやつです。座面のモコモコ感や段差部分のギャザー(しわ)が非常にリッチです。
純正シートのゴリラテープを剥がす


必要以上に巨大な段ボールで届いた純正シートがこちら。歳とともに何か注文したときのワクワク感というのは減少してくるのですが、久々にワクワク開封しました。
このシートがアタリなのかゴミなのか、期待と不安を抱えながらゴリラテープを剥がしていきます。シール剥がし系の作業は少々心得があり、シンナー系はシートを変質させるリスクがあるため、今回はヒートガンで適度に温めながら慎重に剥がします。頑固な糊残りは熱を加えつつヘラで集めてからのガムテープペタペタ作戦で数時間かけて除去。
破れたシートを補修する
テープを剥がしたところ、5cm程度と1cm程の裂けが各1箇所あることが判明。広大なゴリラテープの割に非常に小さな損傷でした。うまくやればかなり目立たない形で補修できそうです。下手に補修してある2,3万円のシートよりも断然おいしい買い物でした。
裂けた部分は生地の合わせ目だったので、荷造りバンドで生地を寄せつつ生地裏の重なり部分を革靴用接着剤で接着。数日後に上からシューズドクターをパテ状に盛って補強。



さらに合皮補修テープをできるだけさりげなく貼ることで、角度によってはほとんど気が付かない仕上がりになりました。


かすかに残ったゴリラ跡(白い線)は靴墨でカバー。手元にあった靴補修用品が思いがけず大活躍したのでした。


↓これが求めていた純正シートのエレガントさ。座り心地ももっちりしていて評判通りです。「いつかは純正シート」と思っていましたが、早々に純正シートオーナーへ昇格できて思想が一層強まりました。しかし、より徳を積んだ修行僧みたいな人になると、盗難や劣化を恐れて「普段使い用」「ツーリング用」「イベント用」と複数の純正シートを揃えるらしいので程々にしときたいと思います。

↓レプリカのシートは普通に売ってます。
















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